無銘刀

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Nomal NO TITLE /9月期の読書余論<6> (18/09/25(Tue) 07:08) #1622


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■1622 / 親階層)  NO TITLE
□投稿者/ 9月期の読書余論<6> -(2018/09/25(Tue) 07:08:36)


    ▼篤胤平田半兵衛『日本先哲叢書 六 出定笑語』S11-10
     長井眞琴の解説。パーリの南伝によると、釈尊の滅後400年間は、仏教は口伝によった。
     波羅蜜のことを平田は波羅密と書くが、これは富永中基の『出定後語』に倣っている。間違いである。

     以下、本文。
     鼠をつらまえるに、足や尻っぽをこはごはにつらまへては、振返って喰附きもする所を、胴腹か首筋の所をぎゅっと強くひしぎつけると、喰附くことも、ひっかくことも出来ず、其中に目玉が飛出すやうなものでござる。

     註。今のインダス河を昔はシンドゥ(身毒)といい、それがインドの地名になった。インドゥには「月」の意味がある。それゆえ漢土では月氏國とも表記した。

     セイロンの今の風俗。『釆覧異言』によれば、人々は飯を喫はんとすれば、すなわち闇において密かに食ふ。人をして見せしめず。

     ヒマーラヤには雪の蔵の意味がある。
     麻耶夫人のマヤは「幻」と訳せる。

     シャカは19歳で出家したという説と29歳だったとする説あり。南伝では29歳。

     パンダカ=黄色。ここから黄門とも訳すが、これは去勢せる男なり。
     註。釈尊やその弟子たちは、数珠を手にせず。

     パーラーナシー。今のペレナス市。昔はカーシーといい、釈迦族の首都。波羅奈國。

     儒者は儒道の外を異端という。仏教では外道という。

     人の門に立って物貰って歩くことは古には無かったこと。仏法が渡ってから僧が物を貰ってあるくを、よるべなき者共がまねた。乞食の本家は坊主(p.146)。

     袈裟はカーザーヴァ、カーサーヤの音訳。その色は樺色に近い。
     末羅はマッラー。力士の部落だった。
     曹は、ともがら と読ませる。

     津の國の難波に、富永仲基という人。俗名は、道明寺吉右衛門。町人学者。三十代のとき(延享元年)に『出定後語』を著した。これを後代に宣長が再発見し、『玉勝間』で絶賛した。平田はそれを読んであわてて江戸中の書林をたずねまわったが、書名をさへに知った者がない。ついに京都の同門の本屋が見つけ出し、早飛脚でよこしてくれた。その後、版元が大坂にあったと知れた。

     小乗は、阿含部。その経の十のなかに三、四は、実に釈迦の口から出たままの文言がある。信ずるべし。
     大乗は、凡て全く後人が釈迦に託して偽り作ったもの。
     80歳で菌の毒にあたって死んだと、ありのままに記してあるのは小乗経典。
     小乗部に、四諦という。苦すなわち煩悩が集まったものを滅して菩提の道に入る。すなおに説いてある。これをもとに大乗ではさまざま捻り、なにか高妙なる由ありげに仕立ててある跡が明瞭である。
     小乗では四元〔素〕を言うだけだったのに、大乗ではそれに「空」その他を加えた。
     小乗では眼耳鼻舌身意の六識を言うだけだったのに、大乗部では7〜10識に水増しした。

     仲基はこれを、阿含部に漸々に「加上」して説を立てたものと見抜いた。
     阿含部を信ずる方でみずから陋しめて「小乗」と言うはずもない。あとから商売を始めた大乗が、先行権威をおとしめて名付けたのである。

     阿含経でさえ、弟子の迦葉・阿難よりもずっと後の人が記したもの。
     たとえば阿輪迦王(アソーカ王)は、釈迦入滅から100年あまりあとの人。この王のことが記してあるということは、そのアショカ王よりもさらに100年は後の成立だと知られる。

     大乗の諸経には、釈迦の語とて、「後五百歳」といふ語がたんと出る。まさに捏造者たちが、釈迦よりも500年後に位置していて、作りたてほやほやの法華経などを世間に売り込まんというので、「後五百歳弘宣流布」などと釈迦に託して挿入しているのだ。

     仏滅後、迦葉・阿難の輩が石室の内で結集。上座部。これが正統の阿含部。
     このメンツから漏れた曹数百人が、石室の外で結集したのが大衆部。
     その大衆部の徒の中から、仏滅の百年ばかり後、大天という者が異見を起こし、新義を別に立てる。すなわち、生死涅槃、皆是假名と。それが般若経の空假の旨である。大乗はここから後世に派生した。

     釈迦の入滅から400年ばかり後、上座部正統の大法師脇尊者が、正統阿含部を越えるものはないと、裁定を下している。空假の旨は釈迦の本義ではない、と。
     ここから、大乗部の中では般若経がいちばん古いということは確実である。
     般若の次に法華経が成った。般若の空も方便じゃとした。
     権(ごん)と実とに分類して、これまでのすべての経を併呑したのも法華経がはじまり。
     いらい、多くの人が、法華経がいちばん正しいのかと思い込まされていた。仲基は、初めてそのインチキを見破った。

     三蔵の目(名目)は、仏滅後に迦葉らが結集したときに起こったもの。ところが法華の経文中に三蔵学者とある。釈迦が説いた真経に、そんな単語が入るわけがないだろう。

     法華経の次に、華厳経が創作された。法華経までも方便じゃ、とした。
     無量義経は、法華経の一派が、華厳に遅れて製作した。
     大集経・涅槃経も、華厳の後から起こった。龍樹の大論にこの経のことが出てこない。つまり龍樹よりも後。

     続いて、頓部の契経。なかんずく楞迦経。それをヒントに達磨が説をなし、文字一切を排して禅家の鼻祖となる。
     そのきわまりにいたっては、乾屎【木へんに厥】[かんしけつ]=尻を拭く箆 を以て仏性を語る。

     釈迦は秘密の真理を南天竺の銕塔に蔵めていたのを竜樹菩薩が取り出したと吹聴したものが、大日経・金剛経・楞厳経の三部密教。もちろん龍樹より後の偽作。

     法華経は大部だが、かなめとするところは、方便品。
     ところがその方便品にも読者を説得する何の中味もない。薬のかわりに能書ばかりがある。かんじんの丸薬が法華経のどこにもない。

     法華経の第25を普門品といい、世間では観音経という。
     のろひごとや毒薬で害されようとしたなら、観音を念ずれば、その禍いは、逆に敵の身を損なうという。こんなのがどこが仏教じゃと、漢國の蘇東坡が批判したが尤もじゃ。

     観音経を念じたので首を斬られずに済んだという話は、仏祖統記が初出で、それをもとに唐代で説かれ、それを日本の謡曲が主馬判官盛久の話とし、それを日蓮宗徒が日蓮の話にした。日蓮自身はそんなことを書いてはいない(p.253)。

     左伝に、禍福は門なし、ただ人の招く所という。
     易に、積善の家には余慶あり、積不善の家には余殃ありと。つまり因果応報の思想がもともとあるのに、漢人はあとからやってきた仏教をありがたがったのである。

     わが國でむかし、臣の姓[かばね]の人を大臣に、連の姓の人を大連にした。ちょうど今の世の左右の大臣。

     俗に、釈迦に提婆、太子に守屋などという。「神道者、守屋重々理だといひ」という川柳あり。

     達磨が死んだのは、漢國の梁の武帝の大同元年。御国では、安閑天皇の2年。

     日本に渡った天台宗。漢國で、法華経の権実ということを宗旨とし、その説を龍樹の大智度論で補強したのを、桓武天皇の延暦24年に最澄が輸入した。だから伝教大師という。拠点は延暦寺。

     その前の東大寺は、華厳宗。
     唐招提寺はそれよりも早い。律宗。

     延暦寺に遅れて、真言密教の高野山。弘法大師。
     その次に禅宗が渡ってきた。じつは伝教大師が最初にもたらしているが、廃れてしまった。そこで栄西が輸入しなおした。
     ここから、臨済宗、曹洞宗、黄檗宗など24派に分かれる。

     その次に流行したのが念仏宗=浄土宗。諡号は法然上人。
     これに次いだ親鸞は、夢の中で観世音に勧められて女犯の道に進んだと。一向宗。
     その次に日蓮宗が出た。今生には貧窮下賎の者と生れ、旃陀羅(チャンダーラ)の家より出でたりとも記す。吉田家の神道を習合した。
     わきまえた人は、日蓮宗は天台宗の虫食い、一向宗は浄土宗の虫食い、山伏は真言宗の虫食いじゃと申す(p.344)。

     真言がなぜ密教なのかというと、唱える陀羅尼が天竺語のままで、漢訳も和訳もされていない。だから唱える人にも意味がわからない。それで悟りが開けるのだという。
     ほとけ という日本語。これはブッダがフトとなり、それにケの字を添えた。ブダからホトケになった。ブッダとは、さとりである。さらに、さとった人の意味。

     今を去ること十二三年以前に、江戸遊所で、坊主をたんとお捕へなされて、ほうづきをからげたやうに、日本橋へ晒されたことがあったが(p.370)。

     今日、人が死ぬと僧が来て改める。これは行政として変死を吟味する必要があるため。
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