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武は 刀と云ふものなんだ!


崩壊學(コラプソラジー)
「私たちの 
いまある文明は
遠からず崩壊する」

いまある文明 崩壊に向けての
自給自足 實踐運動
ださうだ

五十年前
フランス人
唱へる 

明治元年 十月二十七日
五稜郭
土方歳三
深夜 寝牀で天井 見つめてゐる
「いまある武士道
遠からず崩壊する」
壁際へ寢返り打つて
つぶやく

佐賀の亂 神風連の亂
西南戰爭
何が さうさせたのか

三島由紀夫
バルコニー 最後の言葉
「(立ち上がる者)一人もゐないんだな
よし!
武と云ふものはだ
刀と云ふものなんだ!」

『刄隱』
絶滅人種「武士」の面影を求めて
劍 日本刀を振るしかない
面影を求めて
2020/11/27(金) 曇り


給料日


年忌の墓參り 
すでに濟ませてゐる

五十年前 
あの日 給料日
いつもの給料日
封を切らず
横丁の壽司屋 

南こうせつ「神田川」昭和四十八年
<三鷹・神田川> 昭和四十四年
月一度の散財

あの日
給料袋持つたまま
中央線 途中下車
喫茶店 奧のボックス
うづくまつてゐた

都心 用事あり
チャンネル桜 收録だつたやも知れぬ
歸路
多磨靈園 寄る
夕闇 迫るころ
墓前 
いきなり二人の男 
兩脇に立つ
小金井警察 刑事二人

墓に狼藉との通報
二人の刑事 張つてゐたと

あの年の 翌年
三島由紀夫 遺骨盜難
すぐ近く公衆トイレ 脇
骨壺が埋まつてゐるのを發見
二ヵ月ぶり 遺族のもとへ

墓から骨壺 取り出した奴
奴を
何がさうさせたのか

近藤勇
京 三條河原 さらし首
近藤の首
持ち去られる

持ち去つた者
また その後
諸説 有り
2020/11/25(水) 曇り


The whole world is watching!


USA大統領選舉 
票集計
インチキ あつたか否か
最高裁
ワイントン裁判へ 
行くか 行かぬか
全世界が見てゐる!
The whole world is watching!

箱館戰爭 開戦
日ノ本 津々浦々
旧幕臣武士
行くか 行かぬか
庶民が見てゐる!

沼津兵學校 元幕臣の倅
「箱館へ行く!」
押し留められた者
振り切つて行つた者

押し留められた者
沼津兵學校史 殘る

振り切つて行つた者
沼津兵學校史 殘らない

箱館戰爭 
蝦夷共和國なんぞ方便
幕府への忠義 方便

なにが さうさせたか
それが 見えなば
佐賀の亂 神風連の亂
西南戰爭
見えてこない
2020/11/24(火) 晴れ


新嘗祭


土方歳三
鷲ノ木 上陸
旧暦 十一月二十二日
新嘗祭 前日

武州多摩 百姓 歳三
新嘗祭 知つていただろか
歳三
「そい(それ) あによ(何よ)」
ではなかつたか

新嘗祭 大任の亂から杜絶える
復古したのは徳川幕府

五穀豊穣
日ノ本 津々浦々
農民 漁民
それぞれの仕方で祈つてゐた

土方歳三隊
大島圭介率ゐる本隊
内陸ルートと違ひ
雪が積もり 道險しく 寒風
海岸ルート

額兵隊 陸軍隊 衝峰隊 
島田隗率ゐる 土方歳三護衞數人
計六〇〇人ほど

額兵隊 仙臺伊達藩降伏 潔ししない者たち
イギリス式訓練を受けた銃撃隊
陸軍隊 上野戰爭で討滅された元彰義隊
衝峰隊 會津、米澤 庄内 桑名 舊幕府兵 

歳三
大島本隊のフランス式
部隊をきつちり三隊に分け
一部隊を豫備とし控へさせる
でなく
まづ一部隊を先發させる
後とから他部隊
そして最後に歳三と護衞隊

歳三 知つてゐた
京で學んだ
寄せ集め部隊
手柄爭ひとなる
味方同士で爭ひとなる
そのとき
歳三 出て行く
やめろと
劍を拔く
「鬼の副隊長」の謂れ

各隊 額兵隊 陸軍隊 衝峰隊
雪辱を晴らしたい
歳三 百も承知

蝦夷地へ渡つた旧幕臣
歳三の出自 關係なく
歳三 傳説的の人となつてゐた
土方隊 統制とれてゐた

島田隗率ゐる 土方歳三護衞隊
歳三の身を守るのでない
歳三の首を守る
敵に絶對 渡さない
幾度となく 
想定訓練しただらう
ゆゑに
歳三の首 
政府軍 見つけられなかつた

西郷隆盛の首
政府軍に見つけられる
2020/11/23(月) 晴れ


セップク


フランス人
サムライ好き
歐州一
なぜか

ユーラシア大陸
西の岬と
ユーラシア大陸
東端の島國

土方歳三 
率ゐる隊
佛軍 軍曹 一人居た
幕府陸軍教師團 三人の内の一人

明治三年
他の二人とともに 
明治政府陸軍教師となる

佛軍教官の青い目に
サムライ
どう冩つたのだらうか

フランス映畫
「サムライ」
監督メルヴィル 曰く
「サムライの孤獨ほど深いものはない
若しかしたら……
密林の虎だけがこの孤獨を知るだらう……」

サムライ好きなフランス男
靴黒クリームで
ちよん髷にした
「サムライ」封切りされたころ
映畫雜誌で讀んだ記憶

<三島事件>
フランスでも報じられる
蠻行 揶揄した
「ハラキリ」
禁句となる
「セップク」
となる
2020/11/22(日) 晴れ


二律背反


テレビ 新聞
命を守る權利
經濟危機を救ふ權利
報道 明け暮れる

<相互に矛盾し對立する二つの命題
同じ權利をもつて主張される>
コレ 二律背反

旧幕府軍 新政府軍 
蝦夷地の戰さも
二律背反

♪北の鷲ノ木では もう
 尊王佐幕を 焚き火に
 してゐるらしい
 斬り合ひ明け暮れた 歳月を
 ひろひ集めて 暖めあおう

土方歳三  
焚き火に手をかざしてゐる
火の燈り 顏を照らす

箱館冩眞館で撮つた あの冩眞
文學青年 面影殘す

歳三 胸中
二律背反 
なかつたであらうか
あつたであろか

あつたとしたら
近藤勇への
想ひであろか
2020/11/21(土) 晴れ


武道通信かわら版 配信


本日 武道通信かわら版 配信
『鬼滅の刄』なるもの
語つた

それにしても
今朝の朝燒け
鮮やかであつた
2020/11/20(金) 晴れ


鷲ノ木の風


「日本海」
と聞けば
「日本海戰」
と答へる

Korean
「日本海戰」
と聞けば
「日韓併合」
と答へる

日本海でもない
對馬海峽でもない 

津輕海峽
津輕海峽 冬景 

榎本武揚 乘船 囘天
十月十九日 鷲ノ木沖
新暦では十二月 冬景
オランダ仕立てのフロックコートに身を包む
榎本 甲板に

十八歳 箱館奉行の從者に
蝦夷地から樺太探檢調査に從ふ
蝦夷地圖も手に

榎本 誰より蝦夷 知つてゐた
箱館港に入るより
まづ鷲ノ木に上陸
防禦なく 無血上陸可能
村落もある宿場町 
二千の兵を順を追つて上陸させる
冬の酷寒に露營しなくてもよい

「蝦夷地のことは
總大將の自分が一番知つてゐる
だが
戰の大將は新撰組土方
みなさう思つてをらう」

答へは風に吹かれてゐる
榎本 
鷲ノ木の風を讀んでゐた
2020/11/19(木) 晴れ


一陣の風


孫ら
モノレールに乘せる
高幡不動驛 下車
高幡山金剛寺
土方歳三 像


「このひと だれ」
「ジィジの劍道のともだち」
天然理心流 居合 かじつた

土方歳三 物語本
檢索すれば
司馬遼太郎『燃えよ劍』から
無名作者 著書 數多ある

歴史人氣人物
中でも異彩放つ

『サムライと日本刀
――土方歳三からの言傳て』
檢索 引つかからず
無名以下と察する

京のまち
から五稜郭
その七年
一陣の風
吹き拔ける

歳三 心緒
風に吹かれてゐる
2020/11/18(水) 晴れ


風に吹かれ


ミネソタ州生まれ 
二十一歳 シンガー
ニューヨーク路上で
唄つてる

How many roads must USA walk down
(USAはどれほどの道筋を歩いていかなければならないのか)
The answer, Trump, is blowing in the wind
(トランプよ その答へは風に吹かれてゐるのだ)
The answer is blowing in wind
(さう 答へは風に吹かれてゐる)

USAよ
♪君の行く道は はてしなく遠い
まあ ガンバレや

多摩日野
土方家の墓
歳三の骨 無い

後年
大河ドラマ「新選組」
土方家墓所 慰靈碑
獻花 耐へない
土方歳三記念館 できる
土産物屋


明治元年 十月二十二日
土方歳三
蝦夷地 鷲ノ木濱 上陸

濃紺 綿一重 戎衣{じゆうい}(軍服)
襟元で斷たれた黒髮
寒風
吹きつけ 逆立つ

答へは風に吹かれてゐる
歳三 風を讀んでゐた
「敗ける」
2020/11/17(火) 晴れ


無言


死者のモニメント
墓石
無言
沈默がゆゑに
地上に殘さなかつた
言葉
祕めてゐるやう

そのむかし
土方歳三の墓 に立つた
いまさつき置いたと云つた
小さな可愛げな花束 置かれてゐた

『豐玉發句集』
上洛前 詠んだ句を纏めて編んだ
「才能あり」か「凡人」か「才能なし」か
俳句達者に任せる
氣持ち 素直に詠んだのはわかる
俳句素人にも

新撰組 生き殘り
島田魁(かい) 和歌集
卷頭 土方の名で記された歌
蝦夷の地で詠んだのであらう

「鉾とりて
月見るごとにおもふ哉
あすはかばねの
上に照かと」

榎本武揚 大島圭介
生き殘るだらうが
てみやあ(自分=多摩辯)
この地で死ぬ

語らず 默したこと
2020/11/16(月) 晴れ


沈默


多磨靈園
自動車教習所 通り
小金井市側 “北門”
平岡家 墓へ

「第三の男」ラストシーン
墓地の竝木道
アントン・カラス
BGM
彷彿させる中央道

二十年ほど前
十一月二十五日
平岡家 墓
老人 一人
「平岡家の墓守です」

年 追ふごと
花 抱へた
<三島由紀夫を知らない>
世代 數人
見かける

年 追ふごと
元「楯の會」ら數人 
見かける

年 追ふごと
憂國忌
散會の數人
見かける

年 追ふごと
森田必勝郷里から數人 
見かける

今年
十一月二十五日 外し
平岡家 墓前
獨り 佇む


【午後〇時二十一分
小川 小賀 古賀の三名は
総監室前に総監を連れ出て
日本刀を自衛官に渡し
警察官に逮捕された】
『武道通信』弐ノ巻(平成十年十二月刊)
「宿命の哲学」安藤武 より

小川正洋 小賀正義 古賀浩靖
五十年 半世紀
沈默

半世紀
「沈默」の縁{へり}
からすれば
「忌」 凡庸に映る
2020/11/15(日) 晴れ


まゑがき あとがき 



本屋
これと思ふ本 手にとる
<まゑがき> 讀み
<目次> 目を通す
<あとがき> 讀む

著者
なんで この本 著はしたのか
なにが 云ひたいのか
凡そ わかる

一時間ほどで
二十册ほど
讀んだつもりになる

『太陽と鐵』
<まゑがき> ない
<あとがき> ある
題して
エピローグ――F104 

【私の肉體の縁{へり}と精神の縁{へり}
肉體の邊疆と精神の邊疆だけに
いつも興味を寄せてきた人間だ
深淵には興味なかつた
深淵は他人に任せよう
なぜなら深淵は輕薄だからだ
深淵は凡庸だからだ
縁{へり}の縁{へり}
そこには何があるのか
虚無へ向かつて垂れた縁{ふち}飾りがあるだけなのか】

この一節も 難解である
ただ
意思的冒險として
死に挑んだ
<死んだ>ことある者には
感觸としてわかる

【運動の極みが靜止であり
靜止の極みが運動であるやうな領域が
どこかに必ずなくてはならぬ】

なんとなくわかる

弓道道場
年 一囘ぐらゐ 
皆中
そのとき の記憶ない
そのとき どのやうな射法八節
意識したか
まつたく記憶ない

増田書店さんに
『刄隱』 
置かしてもらつてゐる
手に取り
<まゑがき> 讀み
<目次> 目を通す
<あとがき> 讀む
してみなされ
それで好い
2020/11/14(土) 晴れ


制服

      
高校 制服 
學ラン 
誰か 學ラン 反對!
誰かの周り 集まらず
あつけなく 凋む

孫ら 中學・高校
制服

『太陽と鉄』
【軍服によって要約される個性ほど
単純明確なものはなかつた
軍服を着た男は
それだけで
ただ単に
戦闘要因と見做されるのである
その男の性格や内心がどうであらうと
その男が夢想家であらうとニヒリストであらうと
寛大であらうと吝嗇であらうと
制服の内側にいかほど深くおぞましい精神の空洞が穴をあけてゐようと

いかほど俗悪な野心に充ちてゐようと
ただ単に
戦闘要員と見做されるのである】

制服 外裝 器でない
制服こそ
身體 中身 
身體こそ 外裝 器

制服(中身)で
器(身體)を整へる
日ノ本の「形」 興り

動かぬ下半身
動かぬ的を狙ふ
弓道で知りえた
日ノ本の「形」

春夏秋冬
紺染 野袴 
上着 
江戸小紋 單衣の筒袖 二着
居合道・弓道・劍道の上着
春夏秋冬 代はりばんこ

拙者の制服
いや 軍服
2020/11/13(金) 晴れ


造花


常朝の殿樣
若殿だつたころ
讀みふけつてゐた和歌の書
庭に投げ捨てられ
燃やされた
 
若殿 佐賀藩城主の父から
二度と讀まないと誓書 書かされる
 
常朝も父から
「書き物を讀むのは公卿の役目
中野一門は樫の木握つて武邊する役目
樫の棒 振つてゐればよい」
叩き込まれてゐた
 
『太陽と鉄』
【文学の反対原理への昔からの関心が
かうして私にとっては
はじめて捻りあるものになつたやうに思はれた
死に対する燃えるやうな希求が
決して厭世や無気力と結びつかずに
却つて充溢した力や生の絶頂の花々しさや戦ひの意思と結びつくところに
「武」の原理があるとすれば
これほど文学の原理に反するものは又とあるまい
「文」の原理とは
死を抑圧されつつ私かに動力として利用され
力はひたすら虚妄の構築に捧げられ
生はつねに保留され
ストックされ
死と適度にまざ合はされ
防腐剤を施され
不気味な永生を保つ芸術作品の制作に費やされることであつた
むしろかう言つたらよからう
「武」とは花と散ることであり
「文」とは不朽の花を育てることだ

そして不朽の花とはすなはち造花である
かくて
「文武両道」とは
散る花と散らぬ花とを兼ねることであり
人間性の最も相反する二つの要求
およびその要求の実現の二つの夢を
一身に兼ねることであつた】
 
佐賀藩城主 常朝の父
「文」
不朽の花
すなはち 枯れない
すなはち造花と知つてゐた
戦さには 不要 いや 邪魔
であると知つていた
 
學術會議なるものに
連なる面々
「文」が造花と知つてゐない
 
2020/11/12(木) 曇り


文武兩道


夜明け前 四時
東の空
更待月{ふけまちづき}
下弦{かげん}の月
または半月
または弓張月{ゆみはりづき}

そのむかし
長男一家が一年ほど過ごした
蘆屋市へ 
孫の顏を見に出向ひた

朝 六時ごろ
外に出る
天空
月と太陽
並んで見えた
あれは何であつたらう

月と太陽 
兩の道 重なつたのか
わからぬ

三島由紀夫の文武兩道

『太陽と鉄』
【「文武両道」といふ古い徳目が復活するべきだと
自分も思ひ 人にも語つたことがある
それからしばらくしの間 この徳目への関心は私から去つてゐた
徐々に 私は太陽と鉄から (ただ 言葉を以て肉体をなぞるだけでなく)
肉体を以て言葉をなぞるといふ秘法を会得しはじめるにつれ
私の内部で両極性を均等に保ち
直流発電機から交流発電機に成り代わつた。
そして決して相容れぬもの 逆方向に交互に流れるものを
自分の内に蔵して 一見ますます広く自分を分裂させるように見せかけながら
その実 たえず破壊されつつ再びよみがへる活々とした均衡を
一瞬一瞬に作り上げる機構を考案したのである
この対極性の自己への包摂 つねに相拮抗する矛盾と衝突を自分のうちに用意すること
それこそ私の「文武両道」なのである】

偏差値が高い高校
甲子園大會出場
近年の「文武兩道」でない

「死ぬ氣でやる」
吐く者
中には
肉體を以て言葉をなぞるといふ祕法を會得
した者
おるやも知れぬ
2020/11/11(水) 晴れ


肉體的勇氣


集英社 第一次入社試驗
『太陽と鐵』でなく
『葉隱入門』であつたなら
書いたこと 
多少 記憶 あつたやもしれぬ

三島由紀夫
やさしく説いた
『葉隱』ガイドブック
常朝の祖父・父らの
戰國戰士の死生感

三島由紀夫
「奉公道」一筋
和歌好きな常朝に
「武士道とは」と問はれたら
何と答へるのだらうか

『太陽と鉄』 
【勇気の証明としての受苦は
遠い原始的な成年儀式の主題であるが
あらゆる成年式は又
死と復活の儀式であつた】

近近年の成人式
かすり傷 ひとつ負はせない成人式

【勇気 なかんづく肉体的勇気といふものの中に
意思と肉体の深い相克が隠れてゐることを
人々はもう忘れている
意思は一見受身のように思われ
行動する肉体こそ「果敢」の本質のように見えるのだが
肉体的勇気のドラマに於いては
この役割は実は逆になる
肉体は自己防衛の機能へひたすら退行し
明晰な意思のみが
肉体を飛び翔たたせる自己放棄の決断を司る
その意識の明晰さの極限が
自己放棄のもっとも強い動因をなすのである】

腹に刄を突きつけようとする
肉體 自己防衞の本能 走る 
恐怖 走る
明晰な意思のみが
腹に刄を突き刺す

【苦痛を引き受けるには
つねに肉体的勇気の役割であり
いはば肉体的勇気とは
死を理解して味ははうとする嗜欲の源であり
それこそ死への認識能力の第一条件なのであつた
書斎の哲学者が
いかに死を思ひめぐらしても
死の認識能力の前提をなす肉体的勇気と縁がなければ
つひにその本質の片鱗をもつかむことがないだろう
断はつておくが
私は「肉体的」勇気のことを言つてゐるのであり
いはゆる知識人の良心だの
知識人の勇気などと称するものは
私の関知するところでない】

常朝に
「武士道とは」と問はれたら
三島由紀夫
こう云ふかもしれぬ
「武士道とは
死を理解して味ははうとする
肉體的勇氣と見附けたり」
2020/11/10(火) 晴れ


旧仮名遣い・旧漢字


『太陽と鉄』
<まえがき> 無い
<本文> からはじまる
<本文> 二頁

【私の自我を家屋とすると
私の肉体はこれをとりまく果樹園のようなものであった
私はその果樹園をみごとに耕すこともできたし
又野草の生ひ茂るまま放置することもできた
それは私の自由であったが
この自由はそれほど理解しやすい自由ではなかつた
多くの人は
自分の家の庭を「宿命」と呼んでゐるくらゐだからである  
あるとき思ひついて
私はその果樹園をせつせと耕しはじめた
使はれてたのは太陽と鉄であつた
たえざる日光と
鉄の鋤鍬が
私の農耕のもつとも大切な二つの要素になつた
さうして果樹園が徐々に実を結ぶにつれ
肉体といふものが私の思考の大きな部分を占めるにいたつた】

表題 
<太陽と鉄>にしたこと 書いてある

三島由紀夫 直筆
旧仮名遣い・旧漢字

編集者 旧漢字だけ当用漢字に書き直した

森鷗外 夏目漱石 芥川龍之介 谷崎潤一郎も
いまの世
自分の作品
新仮名遣いと当用漢字で読まれてゐること
草場の蔭で怒つてをるだらう

この日記
旧仮名遣い・旧漢字
使いはじめたのは いつごろからであろう
もう十年前あたりであらう
人様を頼りにしない
獨りで できる
「戰後レジームからの脱却」
2020/11/09(月) 晴れ


初版本


圖書館の本
スマホで閲覽できるやうにする
文化庁

圖書館の本
デジタル化されるの 
いつの日か

<庁>の流れ
世の機微さ
いつも逆流

デジタル化加速の先にあるもの
失ふものへの 郷愁
失ふことへの 危機感

讀みたい本
圖書館で借り出し
手にとつて 
ページをめくる

『太陽と鉄』
初版本
<裝丁>
檢索し スマホで見れる
檢索し 見るもの
手にし 讀むもの

その先にあること
區分けされる
いや 格差される

圖書館 書庫には
手にし 讀むもの
山とある

集英社 第一次入社試驗
『太陽と鉄』 感想文
文庫本で讀んだ

『太陽と鉄』初版本
圖書館から借り出す

昭和四十三年刊
變形版
縱 23cm 横19cm
重みのある クロス裝
手にとつて ページをめくる
2020/11/08(日) 晴れ


誰も できなかつたこと


ノーベール賞 逃した
三島由紀夫より
十歳 下
ノーベール賞作家

あのとき
ガンジス川
「バゥ バゥ」と
あえぎながら 泳いでゐる
あえぎながら つぶやいてゐる
「東洋のある作家
腹切つた
どうでもうでもよい こと」

新聞 寄稿
朝日新聞 掲載
おぼろげなる記憶

あのとき
三井造船社長 曰く
「わたしは 文學は信用しない
だが 三島由紀夫は信じる」

【行く川のながれは絶えずして
しかも本の水にあらず
よどみに浮ぶうたかた
かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし】

ノーベール賞 逃した作家
行く川のながれ に
兩足を突つ込んだ
鴨長明も しなかつたこと

言葉の藝術性を探求する者たち
誰もできなかつたこと
三島由紀夫 唯一人 やつた
ゆゑに
吾 三島由紀夫を信ず
2020/11/07(土) 薄曇り


OLD 


Colorful Diary Falcon World