■真珠湾攻撃
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前田 → 『真珠湾攻撃の真実』 読ませていただきました あの奇襲作戦 戦略的にすでに負けていたと
兵頭 → そうです 開戦奇襲は武道でいえば「居合斬り」 やった方がまず1ポイント上げられるのは間違いないが 問題はその後です 「お前は相手が抜く前にいきなり斬りつけた それで許されると思うのか」という世間の批判に対する弁明が準備されていなければ 即座にヒールへ転落 相手の一族に仇とつけ狙われ 最後が斬首 日本海軍 事前に国際的根回しをぜず そういうヘマをやってしまった 日露戦争後の日本海軍 敵国の戦艦を相手に勝つことばかりを考えていた 第一次大戦の混乱を利用し 自前の石油資源 例えば北樺太やオランダ領東インドの石油をどう自国の勢力下に収めてしまうとか 米国との長期戦になったらタンカーや貨物船の海上護衛をどうするか なんてことは「戦艦相手の開戦」と関係が希薄なものだから 当時の海軍人は考えなかった だから 首相の要請 「オランダ領東インドの石油のことでオランダ政府と交渉するので ひとつ軍艦を出して圧力かけてくれ」に大威張りで拒否とういう阿保さ 「省益あって国益なし」 その後に アメリカと喧嘩したら 石油はないと気付いたときには もう日本 「武装独立」しようもない立場 で 破れかぶれで「居合斬り」
兵頭さん 日ノ本が相手が仕掛けてきた技に合わせて掛ける技 「後ノ先 {ごのせん}」を選びにくかったわけを述べるが これは省略
前田 → 空手は防御から入ります 武道は「受け」「払い」から 兵頭 → そうなんです 日米戦争も「受け」から始めるべきだった 「守りに回ると弱い」国民性を政府が教育し叱咤激励すべきだった 大正〜昭和の日本のエリートは幕末武士の3割くらいの頭しかなかった
前田 → あの戦争を途中で休戦にもち込める方法はあったと思いますが 兵頭 → ありましたとも アメリカに先に手を出させたら停戦に持ち込めた 差別されている黒人や南部人にこっそり武器を渡し武闘を焚きつけたり フィリピン反米活動家に兵器弾薬を渡す マレーでもオランダ領東インドでも同じことをする それに激怒した米英蘭のいずれかの軍艦が先に日本の船に砲撃して そこからズルズル戦争状態にエスカレートする そうなれば将兵を戦場に送り出す米国の銃後の世論 大統領の「無条件降伏要求」を支持しませんから 日本は米国と交渉しながら戦争することが可能になる 本来 軍事力は外交交渉の背景で相手に圧力をかけるためにある しかし 日本では海軍がアメリカと戦争をすることを先に決めてしまって 政府の外交交渉はその隠れミノにされた
前田 → 軍部の上層部が大儀名分にこだわり過ぎカッコつけすぎ また 武士道を教条的にし 軍部での出世争いに血眼になってしまっていた (これはMCの拙者の言葉だろう)
−−−−−−★−−−−−− <敵国の戦艦を相手に勝つことばかりを考えていた>結果が 世界最大の戦艦 「大和」の建造であった
むかし観た 映画 「男たちの大和/YAMATO」 大和 沈没 北緯30度43分 東経128度04分 佳作だった
2025/07/10(木)  |
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