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さて、與太話はこのくらゐで



四年に一度の蹴球イベント決勝戰
寒い國のルジニキ・スタジアム
埋め盡くされたスタンドの半分は旭日旗
旭日旗が波頭のやうにスタンドを搖らす 

昨夜みた夢のハナシ

電光掲示板に
バルチック艦隊が殲滅されていくシーンが映し出れ
軍歌「日本海海戰」流れる

♪されど鍛へに鍛へたる
吾が艦隊の鋭鋒に
敵の數艦は沈沒し
陣形亂れて四分五裂(しぶごれつ)♪

フィンランドら北歐人らが 旭日旗を振つてゐる  
朝鮮戰爭に國連軍として參戰したトルコ
多數の応援團を繰り出し 旭日旗を振つてゐる
イギリス人もフランス人ドイツ人も南米人も
旭日旗を振つてゐるのが
電光掲示板に映しだされる

<2018の日露戰爭>日本が5-0で勝利
夢のハナシだ

夢は 
現實と睡眠を遮斷させて、心身を休ませることとの説
夢は
要らない情報を破毀し、編輯していく
自分に必要な情報と不要なそれとを分別する作業との説
しつくりこない

人間の體温リズムは25時間周期 一日は24時間
この一時間差が何か關係あると ド素人は考へる
ド素人は かうも考へる
忘れてゐた何某が夢にでてくる
何某が拙者のことを思ひ出してゐる
夢はテレパシー

では 昨夜みた夢はナンダ?
未來からのテレパシー(呵呵)
さて、與太話はこのくらゐで

蹴球ジュニアユースは
受身をとる練習に精を出せ
疉の上のスポーツ柔道の掌を着き クルッと廻轉するのでない
掌でなく 手刀尖先三寸か 掌底で着く
實戰の地べたには 小石などがある 面積の大きい掌では着かぬ

ボールを蹴る前に 何百囘も何度も受身をとれ
日本文明人の強さは受身をとること
強國と伍していくには 他文明にない
受身をとり立ち上がる
2018/06/17(日) 薄曇り


胸で聽く


いまどきの高校生は キーボードが打てない
いや 打たないと聞いた

掌の中のスマホで事は足りる
音聲檢索で事足りる

パソコン一台で出版社が興せると
キーボードの前で
パソコンと二十年挌鬪してきた齢○○ 
諸行に常はない と吐息をつく

その昔
NHKラジオドラマをよく聽いた
深夜、枕元のトランジスタラジオでよく聽いた

その また昔
國語の時間 あの子にしよか この子のしよか
順に立つて朗讀する女子の聲を聽いた
目が見えなくなるのが一番に怖かつた
本が讀めなくなる
目が見えなくなつたら
本を讀んでくれる女子を見つけようと

就寢前、枕元のスマホで朗讀を聽く
時代もの
名作もの
名を聞いたことない作家の私小説

内容にこだはらぬ
聲である
ひと昔前の日本語が
胸を打つ
耳から胸に迫る
胸で聽く
2018/06/14(木) 晴れたり曇ったり


「今月の読書余論」

   

煙管から立ち昇る ショートピースの紫煙が
雨音にかき流れていく

いつとき早く咲いた あぢさゐが
梅雨の本番舞臺で 
いつさう可憐さが増すだらう

HPトップページの 「今月の讀書餘論」をクリックしたら
500ERROR

告知版の<最新記事>が消えた
元「告知板」の大元看板「武道通信告知版」を
「今月の讀書餘論」に變へる作業で しくじつた

で ここに消えた文面を掲載

…… …… …… …… …… …… …… …… …… ……      
     

「告知版」を廃して「今月の読書余論」とします。

兵頭二十八Net私塾「読書余論」有料配信が5月25日に終了。
2006年7月から開講。12年、通算143回。毎月欠かさず塾生たち
に配信してきました。感無量の面持ち。
  
さりとて、休講になったわけではござらぬ。
6月以降の「読書余論」を「今月の読書余論」にて、かつての塾生
以外、どなたでも受講できます。
同じく、毎月25日。「今月の読書余論」にUP。

ついては
電子書籍<bP〜47>(2006-7月〜2010-5月)につづき
<48〜95>2010/6月〜2014/5月期(48ヶ月分)を
『読書余論 合本』として、
6月25日に刊行(配信)。価格は同じく2800円
*当初、6月1日と予定しましたが、12年間つづけた<25日>に
こだわり25日とします。

ご希望の御仁は、メールにて件名を「読書余論 合本 48〜95 注文」
とし、ご注文くだされ。
杉山頴男事務所より応答メールがありましたら、お振込みを
三菱東京UFJ銀行 国立駅前支店 普通3765873 
有限会社 杉山頴男(ヒデオ)事務所
    
…… …… …… …… …… …… …… …… …… ……     

2018/06/11(月) 雨


訃報 野末の下


訃報が届く

掌の中(スマホ)で「戰友」を聴く
♪此處(ここ)は御國(おくに)を何百里(なんびゃくり)
 離れて遠き滿洲(まんしゅう)の
 赤い夕陽(ゆうひ)に照らされて
 友(とも)は野末(のずえ)の石(いし)の下(した)

♪思へば悲し昨日(きのう)まで
 眞つ先(まっさき)驅(か)けて突進(とっしん)し
 敵(てき)を散々(さんざん)懲らし(こらし)たる
 勇士(ゆうし)は此處(ここ)に眠れるか

掌の中で檢索
《木暮氏は
前田日明が84年に立ち上げたプロレス団体『UWF』が
テレビ放送が付かなかったことからクエストを立ち上げた。
UWFの旗揚げ戦からシリーズで次々にビデオを出し続け、
UWFブームが到来した……》
クエスト代表死去−eFight 格闘技情報を毎日配信

《杉山さんがいなかったらUWFという存在は
ああいう成長過程はたどらなかった。
「Uは杉山さん」なんですよ――ターザン山本》
『証言UWF―最後の真実』(宝島社)

昨年になる
高田馬場へ出向ひた
『刄隱』(語部{かたりべ}:籏谷嘉辰 聞書:杉山頴男)の
映像化の打ち合はせ

「日本刀をみると、この國がかたちがみえる」
戰ひが
活字と映像のコラボによる戰ひが
はじまろうとする矢先だつた
2018/06/08(金) 晴れ


日本武道具さんへ一筆


日本武道具さんへ一筆
第四十五話 
「断腸」
http://www.budoshop.co.jp/Kiserunokemuri-4..html
2018/06/07(木) 薄曇り


繩文人のDNA


水に精靈が宿ることを 實證できるのは
まだ 先の先だが
一萬年前の日本列島住人の
繩文人のDNA解明はいまのハナシ

あの時代に あの精緻な土器を なぜに作ることができたのか
大和魂があるぢやないですかと 平安中期の女官(女房)が宣してから 
反りがあり 鎬があり 刄文がある 斬れ味の良い
日本刀が 平安末期に出現したはけも
繩文人のDNAで解明されるに違ひない

繩文人Y染色體は 
China大陸 その半島とも異なる
東南アジアとも異なる

他文明に類をみない天皇家
天皇家が天子繼續を男子系(Y染色體)にこだはつたはけは
繩文人DNAの正統性の證

大和朝廷は
大陸から稻作を傳へた“彌生人”との通説も覆る

ココを抑へておかなければ
日本史の
<開國と攘夷>の相剋とジレンマは見てはこぬ
2018/05/29(火) 薄曇り


水の精靈


むかしむかしのハナシだ
むかしむかしの そのまたむかし ではない
外來種baseballに
日本列島の大學生が夢中になりはじめたころだ

息子が夢中になるbaseballとはどんなものか
元武士の子だつた父親が試合を觀に來た

一壘走者が走つた 盜壘である セーフ
それを見た父親
觀客席から怒鳴つた
卑怯なり

武家社會の「卑怯なり」の
一番手は何であつたらう

武家社會は階層意識が明白であるから
下々の「卑怯だぜ」の基準と若干異なる
が 共通なところは 法には觸れてはないが
やり方が[汚い]である

この[汚い]の感性は
日本列島の地形からして
清流がゐたるところに流れてゐたことから育まれた

清流が豐富でない他文明地帶の[汚い]の感性とは……
淺學寡聞の徒は知らぬ
「心を洗ひ流す」との慣用句があるどうかも知らぬ
「心」と「水」のリンクがあるどうかも知らぬ

日々の暮らしが
清流から遠ざかること 久しい
[汚い]の感性が鈍る

いまどきの大學生に
清流に身を滲す 時間を設けると良い
四半ときでよい
[汚い]の感性が甦る
いや
大人たちが先だつた

むかしの ハナシだ
日本初の本格的野球チーム「新橋アスレチック倶樂部」が
結成された二年後に生まれた女子が
1歳半のときしよう紅熱にかかり 聽力、視力、言葉を失ふ。
女子が井戸の口に手を當てた 
そのとき 何かが女子を貫いた

女家庭教師の手にwaterと書いた
モノに名前があることを一瞬に覺る 
名前に文字があることを一瞬に覺る 

水の精靈に打たれたのだ
いまだ謎多き 水

水に精靈が宿ることを 實證できるのは
まだ 先の先だ
2018/05/23(水) 曇り


うたた寢版『羅生門』


芥川龍之介『藪の中』を讀む
ニコニコ動畫で黒澤明『羅生門』を觀る

うたた寢で夢を見る
雨降りしきる
板門店「平和の家」軒下で
雨宿りしてゐる
韓國の人と思しき男と
日本の人と思しき男の二人

をかしな話もあるものだと
殺人現場の後を通りかかつた韓國の人と思しき男

「白い家」の御白洲で
殺人容疑がかかつた二人のハナシは眞逆
どちらかが嘘をついてゐると
韓國の人と思しき男

「白い家」の御奉行は
ムーダン(靈媒師)を呼びつけ
殺された男の聲を聽く
死んだ男のハナシは
殺人容疑がかかつた二人のハナシとも違ふ

二人とも頭をかかへる
そこへ支那の人と思しき男が
雨宿りに來る
韓國の人と思しき男のハナシを聽く

眞實は四者四樣さ
支那の人と思しき男は
一人だけ焚火の火に當たりながら云ふ
韓國の人と思しき男 日本の人と思しき男
うなづく

韓國の人と思しき男
日本の人と思しき男
支那の人と思しき男
三人は知らない
いや、實は知つてゐた
各々のプライドが
知らないフリをさせた

力は眞實 眞實は力 力こそ眞實
眞實は「白い家」の御奉行の手の中に握られてゐるのを
實は知つてゐた

うたた寢の夢のハナシだ
それだけのハナシだ

1980年代のプロレス少年は
力は正義 正義は力 力がなければ正義でない
と知つてゐた
2018/05/18(金) 晴れ


はつきりとした不安


「兵頭二十八の放送形式」2018年05月13日 09:17
やはり核兵器は1発も無かった。北鮮はその証拠湮滅のためにトンネル閉鎖を急いでいる。
核分裂を起こせる「巨大装置」はあっても、「兵器」になるような「弾頭」はけっきょく完成してはいなかった。
トンネル内のガス残滓を持ち出されれば、そのことが米国にバレてしまう。
だから協定成立後も誰も中に入れないように、入り口からすっかり崩落させる必要があるのだ。

兵頭二十八ネット私塾「讀書餘論」塾生や當HPに訪れる御仁は
<マスメディア報道とネット報道の<齒車>の狂ひに
はつきりとした不安を抱いてゐる

六月刊行の『讀書餘論 合本<48〜95>』
の表紙に こんな言葉をふつた
軍學者が 軍學者に成り得たわけは ここにある
「読書余論」の薫習が<日本を防衛する>
2018/05/14(月) 晴れ


ぼんやりとした不安


《小學5年生のとき觀た「明治天皇と日露大戰爭」》
先の武道通信かわら版「忙中閑あり」冒頭にこう記し  
二〇三高地から正岡子規へ飛んだ

正岡子規の俳句は好きでなく 芭蕉の發句を愛してやまない
芥川龍之介の俳號「餓鬼」
芥川 小學六年生で
ロシアの機關銃に日本兵がバッタバッタ斃れていくの大人たちから聞く
旅順港を見下ろす二〇三高地 占奪に沸く大人たちを見てゐる

「ぼくの將來に對して、ぼんやりとした不安」
との言葉を殘し自殺 35歳

ヒロシマとナガサキの上空に
Little BoyとFat Manの翼が現れたとき
芥川 生きてをれば53歳

生活苦などは自殺の動機ではない 動機の道程である
と芥川

「ぼんやりとした不安」は道程
動機の道程
「ぼんやりとした不安」の先の
自殺の動機

まだ芥川賞がなかつた 無名作家の“もう一人の龍之介”
『今昔物語集』『宇治拾遺物語』の教訓を忘れ去つた
日本の將來への「ぼんやりとした不安」

まだ芥川賞がなかつた 無名作家の“もう一人目の龍之介”
日露戰爭勝利で陸軍 海軍の戰略の
<齒車>が狂つたことへの「ぼんやりとした不安」

芥川賞が出來てから
芥川賞候補になれなかつた作家の
歐州米州の賽の目(植民地)賭博
この鉄火場に 日本が
投げ込まれた「ぼんやりとした不安」

いまどき芥川賞作家で
マスメディア報道と
ネット報道の<齒車>の狂ひに
「ぼんやりとした不安」を
感じる御仁もをらう

二度あることは三度ある
『今昔物語集』の説話
2018/05/11(金) 晴れ


あと二十年後


道端に咲く花々
無粹者には
名はひとつとして
わからぬ

さりとて
花たちも
檢索してまで
人が勝手につけた
名を知つてもらひたくもない
と囁いてをるやも


日本武道具さんへ一筆
第四十四話 
「あと二十年後」
http://www.budoshop.co.jp/Kiserunokemuri-4..html
2018/05/07(月) 薄曇り


ここにいま 私はゐる


むかしむかし 旅先から繪葉書を出した
某詩人の 某詩のはぢめの一節をパクつて
<私は>を<僕は>にして

《美しい繪葉書に書くことがない
僕はいま ここにゐる》

老いて“日本囘歸症”が進むなか
<私は>は主語ではないと氣附く
<私は>は主語ではなく[主題]と氣附く
やはり日本語には主語がない

…………………………………………
美しい絵葉書に書くことがない
私はいま ここにいる
冷たいコーヒーがおいしい
苺のはいった菓子がおいしい
町を流れる川の名は何だったろう
あんなにゆるやかに

ここにいま 私はいる
ほんとうにここにいるから
ここにいるような気がしないだけ

記憶の中でなら
話すこともできるのに
いまはただここに
私はいる
   (谷川俊太郎「旅 1」)
…………………………………………

私はいま ここにゐる の[私]
ここにいま 私はゐる の[私]
いまはただここに 私はゐる の[私]
[I]ではない

[私]は主語でなく主題
[私]はその<とき><場所>にゐる[いま]

[いま] ここにゐる
ここに[いま] ゐる
[いま]はただここに ゐる
2018/05/01(火) 晴れ


兵頭二十八の<聲>


一昨朝、「読書余論」四月期を配信
こんな文言を添へた

『AI戦争論――進化する戦場で自衛隊は全滅する』
4月10日に都内大手書店に並び、15日ごろ北海道、沖縄書店に。
20日、版元は二刷りを決定。
軍學者が語るからこそ<自衛隊全滅><人類最後の30年>を
考えざるを得なくなる。
 30年後――軍學者88歳、拙者102歳。
 
夜明け間際の裏店では
柿の木の枝葉が搖れてゐる
二十三年前から
『日本の陸軍歩兵兵器』刊行(1995.5)から
冬になる前の秋に 柿の木は
實をつけてゐたのだらうか
三十年後も實をつけてゐるのだらうか

AIが人の腦を凌いだ三十年後
人は柿を詠むしか能がなくなる
聲を出して 自分の聲で
歌が詩になるまで
自分の聲で
一人の人を感動させることで
詩は完成する

評論もしかり
論者の韻律が リズムが
一人の人を感動させることで
評論は完成する

人はそれしか能がなくなる

♪ 狼になりたい 狼になりたい ただ一度 ゞ

兵頭二十八の<聲>は
二十三年前から 狼だつた
2018/04/27(金) 晴れ


♪ 世紀末まで持ちさうも無い ゞ


ショートピースの紫煙が
夜明け前の空に流れていく
今朝の風向きを知る
海人の記憶の遺傳子がさうさせるのか

海流と無縁 内陸乾燥地帶の
ステップ人の紫煙は
どんな記憶の遺傳子を立ち上がるのか

朝明けの穩やかな風が吹き拔ける
胸奧に穩やかな風が吹き込まれる

一度、[枠]を外してみよう
文明の智慧と條理で作られた[枠]
風土で部族の生活樣式は作られる 人柄も作られる
たしかに地理的條件と政治現象は密接に關係する
が、一度、地政學の[枠]も外してみよう
どうも、さうでもしないと
21世紀は
世紀末まで持ちさうも無い

♪ シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく ゞ
變はらない夢を流れに求めて
時の流れを止めて 變はらない夢を
見たがる者たちと戰ふため
(中島みゆき「世情」)

地上の星々は頑固者だ
遺傳子の[枠]をはみ出さうとしない
21世紀は氣候分割で棲み分けて
おのおのが鎖國しないと 
ゞ世紀末まで持ちさうも無い

海流と山が隣り合はせの小さな列島
唯一 メリハリのある
春夏秋冬がある日本列島は
鎖國しないと 
♪ 世紀末まで持ちさうも無い ゞ
2018/04/23(月) 曇り


ちひさなやさしい群よ


「武士の正式な一人稱をご存知でしたらご教示いただきたく」
長くご無沙汰してゐた御仁からメールをいただく

まづ<前近代>と<近代>の間に線を引き
それ以前、それ以後と區分けせねばならぬ

元來、この文明には
「私」「あなた」「彼」の人稱代名詞はなかつた

日本語には<be動詞>もない
主語と後ろの語句をイコールする
am,are,isはない

正確に云へば省略した
古文の主語は原則的に三人稱
異文明が大事する[主語]は隱した
[天{あま}]と[God]の違ひだ

<近代>導入で[主語]が幅を利かすやうになる
時代映畫・小説に「拙者」が現れる

「オレがオレが……」の時代に突入する
みんな「オレがオレが……」の時代
實は「やさしさ」と云ふ
蓑をまとつて群れとなるために

「オレがオレが……」のオアシスに向かう
群れに背を向けるのが
一人稱を使はぬ武士

ぼくの孤独はほとんど極限(リミット)に耐えられる
ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる
ぼくがたふれたらひとつの直接性がたふれる
もたれあふことをきらつた反抗がたふれる
ぼくがたふれたら同胞はぼくの屍体を
湿つた忍従の穴へ埋めるにきまつてゐる
ぼくがたふれたら収奪者は勢ひをもりかへす

だから ちひさなやさしい群よ
みんなのひとつひとつの貌よ
さやうなら
吉本隆明 「ちひさな群れへの挨拶」より
 
        *
拙者、「拙者」「拙者」とよく使ふ
私が[私]に語る<獨白>
ハムレットが心中を觀客に知らせるための
<モノローグ>を眞似てゐるのではない
<近代以降>に背を向け<前近代>へ向かふための
躓{つまず}きなのだ
2018/04/12(木) 晴れ


なぜ腹を切れぬ


道場の跪坐でなく 兩膝は大きく開く
手の屆く前方に 斬れ味が惡くない鍔の無い腰刀(脇差)
帶を下にずらし 共衿を兩手で摑み 腹の邊りまで押し廣げ
下腹を露わにする

腹を凹ます 諸手で持つた腰刀の切先を左脇腹に押しつける
腹を凸する 切先が五ミリほど刺さつたら
水平に右脇腹まで引く
腹の脂肪は厚いから痛くも痒くもない

右脇腹から切先を拔き 
右手で腰刀を持ち 切先を頸動脈のあたりに當てる
左手で右肘を摑み 下に引く

頸動脈から大量の出血
即 腦死

武士が武士であつた時代でない
いまの世の <武士の記憶の遺傳子>を持つ者の
切腹の作法

西部邁さんに
お教へしておけばよかつたか
2018/04/06(金) 晴れ


[心の丈]は見えにくい


武州多摩
染井吉野(ソメイヨシノ)が散り始めると
欝金(ウコン)が咲き始め
つづいて山櫻(ヤマザクラ)が咲く

そのむかし 戦さがあつた
凾館 五稜郭の櫻の開花はいつだらう

日本武道具さんへ一筆
第四十三話  [心の丈]は見えにくい
 http://www.budoshop.co.jp/Kiserunokemuri-4..html

2018/04/04(水) 晴れ


貴殿は朝型か 夜型か


 先の二十五日、讀書餘論3月期を配信した
 陽が昇る前に
 いつから朝型になつたのか

 むかしむかし、そのむかし 
 朝廷で國の大事を決める際
 大臣たちは深夜に
 御所に集合し、議論し、
 陽が昇る前の時刻に
 結論を出した

 そのむかし、軍學者が拙宅に來訪した折
 その逸話を話してくれた
 
 朝型・夜型タイプは遺傳子だと
 近年の遺傳子工學は論ず

 むかしむかし、某出版社の入社試驗の日
 目が覺めたら正午だつた

 若き日は夜型 歳食つて朝型は よくあるハナシ
 老體は睡眠時間六時間で充分であるからと醫學博士

 山田風太郎は
 ボトル1本ほどの晩酌效果で熟睡
 午前三時頃起き、執筆してゐたと日記にあつた
 
 傘貼り浪人
 缶ビールに熱燗一、二合ほどで九時ごろから熟睡
 三、四時に目が覺める
 で、我流體幹運動のあと
 煙管にショートピース四分の一を詰め 一服
 紫煙を追ふ
 で、キーボードに向かふ
 
 軍學者は
 若き日から朝型だつたのではないか

2018/03/29(木) 晴れ


三間先の殺氣


<科學の進歩>と云ふ奴が
匂ひを嗅ぎ分け
所作が起す空氣の振るへ
の [感性]を劣化させた

デカルト、ニュートンらが
神祕性に對抗し、“科學の眞實”を生んだ
[感性]に背を向ける
知性の世界のみを信じた
五感を知性で加工してしまふ

三間先の殺氣を察した
武士の[感性]は死滅したのか
加工されない[感性]を呼び覺ます手はないのか

科學に聾棧敷に置かれてゐる拙者でも
掌の上のニュース、科學のジャンルを
素讀みする
最新科學が[感性]の謎を
知性と融合させ解かうと
挑んでゐるのを垣間見る

科學に聾棧敷に置かれた者が
加工されない[感性]を
科學に頼らず解かうとするなら……

花は櫻木 人は武士
櫻見物のあとに考へるとするか
2018/03/24(土) 晴れ


香りには心がある


俳句では「彼岸」と云へば春の彼岸
春分が中日{ちゆうにち}
その前後七日間を「彼岸」と云ふ
土方歳三も愛でた
谷保天滿宮の梅林も盛りを過ぎた

梅にチェンジし
大學通りの櫻並木が主役となる
國立町會、谷保村青年團が    
今上天皇誕生を祝し、植ゑる
八十四年前、大學通りの商店はちらほら數軒
雨が降れば大學通りは泥道

甲州街道は多摩川の氾濫で泥道となる
で、江戸の世に多摩川の河岸段丘に移される
で、段を下つて境内に入つていく
鳥居も道沿ひの正面でなくソッポを向く
谷保天滿は“野暮”な神社

わが街のシンボルの花は
櫻ではなく梅
谷保天滿宮の梅林は千年前から

菅原道眞の世の人は鼻が利いた 
香りを愛でた
特に梅の香りを愛でた 
よつて梅の方が櫻より格段上

香りには心がある
香りは 心を動かす
衣裝に焚き染められた香りの
殘り香
闇夜の身じろぎも
その心を香りで察する

「大和魂」との言葉が
初めて書物に現れた
『源氏物語』は香りの文學
行間から香りが立ちぼつて來ぬと
『源氏物語』を讀んだと云へぬ
  
そのむかし 歸宅時深夜國立驛ホームから
大學通り並木を覆うイルミネーションを見た
闇夜の香りが失せた
闇夜の靈氣が失せた
わが街も劣化していく……

いまの世の流行り
ライトアップなるものが
大和民族を劣化させていくことを
恐るる者は少ない
2018/03/17(土) 晴れ


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Colorful Diary Falcon World