■「自己責任」と「痛み」
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月が替わっても 【杉山ひでお参議院選挙報告】つづく
兵頭 → このインタビュー時点で新国会も始まってる 今回の選挙活動を通じ いったい何を学ばれたか? また 新国会への期待など
【杉山 → この参議院選で候補者が一番口にした言葉は「構造改革」だった。 まさに選挙の争点だった。しかしこの構造改革が有権者には見えていなかった。 小泉人気から発して、国民の新しい教科書であるテレビが視聴率稼ぎのための政治ブームを作ろうとした。ここぞとばかり蓄積したノウハウを注ぎ込んだはず。だから投票率は上がると発表した。でも前回の58.89%を下回り56.42%。戦後3番目の低さだった。それは構造改革が有権者には見えていなかった証拠だと思う。
これはどう分析するか。議会民主主義のシステムで世を変えていこうといたら、これを正しく分析できた者が勝利者になるのではないかな。自分ごときが分析などできないが、自分なりに言わせてもらえば、無党派と評されえきた人たちは、初めて選挙というものをまじめに考えたのではないか。今まで義務感に背を押され、自分の尺度の好感度、正義感でそのつど選んできたが。でも今回は自分が勝ち組になれるのか、負け組になるのかがはっきり見えてこないで、 もし負け組みになったら救ってくれるのは誰だ? どの政党か? が投票日までに見えばかった。これが投票率の低下の原因だと考える。 それに自民党圧勝予測へのあきらめもあったろが、どうせどの政党でも同じ、日本はどん底まで落ちればいいんだと言う刹那感と言うかニヒリズムが国民に芽生え始めてているような気がする。
兵頭 → もし世の中 どんぞこまで落ちたら ナチス党が躍進したドイツの同じような変化 起きたかもしれない
【杉山 → 構造改革キャンペーンで常に表裏一体なものは「自己責任」と、 それによって生まれる「痛み」であった。この構造改革は国民の自己犠牲で困難を乗り切ろうと、国民にモラリスティクなものを強制しているんです。「贅沢は的」と同じですよ。 これは戦後ずっと政権をとっていた自民党は責任をとらずして、自分の既得権を手放さないで国民に自己犠牲を強いているのが、この構造改革の「痛み」のキャンペーンの本質です。中身をはっきり見せないのは当たり前。
その中で、いままで既得権のおこぼれに預かっている自民党組織票有権者は、目減りするだろうが今まで通りおこぼれに預かるだろう、勝ち組に残れるだろうと自民党に入れる。また自己犠牲のモラリズムにはまった野党の組織票にも無関係な「善男善女」も自民党に入れた。自民党が圧勝するはずである。 自由連合は、この選挙では選択権を奪われた感じだ。テレビの選挙ブームの仕掛けは詰まるところ、この善男善女づくりに加担しただけだった。戦前、テレビの代わりに大新聞が戦争昂揚を煽り、「軍国民」を作っていったのと同じ。
2025/08/01(金)  |
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