■ルールのない 本当の強さ
|
前田 ルールのない本当の強さを <アフガンのサムライ>田中光四郎に問い 自問す
前田 うちの選手に ヴォルグ・ハン 生家 グルジアの南 ダキスタンの首都から軍用ヘリで行く 見下ろすと日本の山とまったく違う 山のかたまり 山の大地 山そのものが大地 そういうところをいくつも越えて二時間ぐらい その山並の風景を想い出して やあ ああいうところで戦闘してたんだと アフガニスタンの山地ですから 2千、3千メートルでしょう すごい精神力ですね 戦場のほんとうのすごさってわからないです 強さって そういうところでしか育たないんではないですか 安全で 快適なところで覚悟するとは まったく違うと思います
アフガンへ行かれて 単純に「強さ」って一体何だとおもわれましたか たとえば自分が行ったとして高さ2メートルで自動小銃やロケット砲を担いで戦闘して夜になったら もうマイナス10度とかでしょう。 そういう所に毛布一枚で寝ちゃうわけですね。
羊のスープというものを飲んだことがあるんです ハンらイスラム教圏ですから 自分がいったとき 御馳走という意味でか 具を一杯入れてくれるわけですが すごいですよ もう羊の目がはいったりするんです ワァーで思っちゃんですけど 頑張って まあ一応 残さずに食べたんですけど。 戦場では具がないのがあたり前で そういう中で30キロ 40キロの装備を担いで 足元がガレキの山でしょう それを考えたとき 自分らプロで格闘技をやっているといっても戦う前に つぶれるだろうなって思います では一体、自分らが云っている「強さ」って しょせんひ弱なものでしかないんではないか 本当の強さってなんだって考えると 一体 いままで自分は何をやってたんだって ほんとに考えてしまいます 環境に守られ リングの中ではルールに守られて 強さを競い合ってきただけであって これは本当の「強さ」でないではないではないかと…………
田中光四郎さん フォロー 「ルールに縛られて動くっていうのは これは大変なことだと思います」
2025/04/17(木)  |
|