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武道通信 第十二巻
論客 古岡 勝(ふるおか まさる)

 福岡県生まれ。陸軍予備士官学校卒業、その年、大東亜戦争開戦。中支戦線に配属。陸軍大尉で復員。戦後、学習研究社入社。副社長を経て現最高顧問。「夢想神伝流」「無雙直伝英信流」を学び「無双流居合斬道」創始。国際居合斬道連盟理事長。著書に「秘剣無双流居合斬り」ほか。平成元年、勲三等瑞宝章受賞。


対談はじまり はじまり・・・
前田
5、6年前からお会いしたいと熱望しておりました。謎の「水瓶割り」の達人にお会いできて感激しております。知人から瓶を斬っている写真をいただいたんです。「えっ、この人、一体誰だ?」とずっと聞いて回ったんでが誰も知らなくて。あるとき虎ノ門にある刀剣店へたまたま行った折、その話をしたら学研(学習研究社)の古岡副社長さんだよと教えられて二度びっくりしたんです。今日は日本刀の斬れ味についてのお話をお聞きできると思い、喜び勇んで来ました。

古岡
最初、対談の打診を受けたとき、興味本位で扱われるのではないかと思ったんですが、『武道通信』を読ませていただいて、今の日本にこのような本があることに嬉しく思ったんです。と同時に、まだまだ日本刀への誤解があると思い、そのことを話したく思いましてね。

前田
実はその前にお願いがあるのです。自分、日本刀の趣味が高じまして、千葉の松田泰次刀匠に弟子入りしまして作刀を習っております。松田刀匠は鎌倉時代の刃文を再現することでは最右翼の刀匠です。何振りかは鎌倉時代のものとしか見えないものがある、と言われています。この刀を観ていただけら今の刀匠でもこういうものが打てるのか、とわかってもらえると持参しました。



◇特集 IT戦争に勝つ―武の精神と知識に学ぶ
ITと武士道   中世の戦闘集団一味同心  嘉村 孝
 渡戸稲造型と葉隠型「武士道」を比較。官僚の責任感を押し立てる新渡戸武士道 では、世界最大の兵商国家アメリカとの、これからのIT戦争に勝利できるはずがない 。

ITと奥伝・秘伝 情報を身体で解く  小杉英了
 膨大な情報の荒海にこぎ出すにあたって、情報そのものを判断する力を身につけ ることだ。
 それは自分の身体を使って解くことで、武道の「奥義」や「秘伝」に通じる。

ITと宮本武蔵 『五輪書』で勝つ   佐々木建
 我らには実戦・実利の剣法、宮本武蔵の「五輪書」がある。
 目付、武具の利などIT戦争に勝つための戦い方が見えてくる。

ITと『葉隠』 公に奉じる奉公人   吉田翰玄
 問題はinformationではなくintelligenceとして、私たちがNetに参加 できるかだ。『葉隠』にはIT戦争を勝ち抜くヒントがある。  

付/日本の兵学 身体と進退の兵学  松岡正剛
 医学が兵学の影響を受けていたことはあまり知られていない。
 江戸期、医学と兵学の二つが結び付いて武士道をささえていった。


◇鎮魂の戦争論 
一 特攻の心  田形竹尾 hien
―元陸軍特攻教官、特攻隊員の伝承
 軍国主義の犠牲者と言われた若き特攻隊員たち、しかしその内実は現代人の価値観を遥かに卓越した崇高なる心の持ち主だった。目が澄んで頬がにっこりと笑い、「後を頼む」の遺言を残して出撃していった彼らの心境は、特攻教官であり、また実際に特攻命令を受けた者にしかわからない。

二 ジョグジャカルタのサムライ”石井サトリア”  神崎夢現
―インドネシア独立戦争に身を投じた日本軍兵士の証言
アジアの解放を大意とした 大東亜戦争だった。しかし終戦―武装解除・帰国命令を無視し、インドネシア独立戦争に身を投じた日本軍兵士の戦争秘話。


◇自衛隊の格闘技
兵頭二十八・小松直之共同取材
 平和日本で見た”対ナイフ”徒手格闘技
 ロータリングス曰く、文化の高い民族が自然民族より近接戦に於て常に勇敢であった……。
 これは古代ローマ軍の精強さを説明した言葉だが、その「近接戦」の基本になる のは、武器を何も持たず、素手で敵に立ち向かう「徒手格闘」だ。
平和ニッポンで、この「徒手格闘」を日々研究し、教育している“特別国家公務員”が存在する。
 その本邦初のリポートである。

□近代アジア異聞録〈二〉〉小杉英了 イラン―近代アジアの任侠道  イラン反植民地運動の立役者は任侠道の親分だった。
 これはアジア近代の民衆運動の特徴であり、アジアの知恵のシステムの一つがヤクザ的存在であった。

□中学生でもわかる「兵法」 兵頭二十八
 (其ノ五)死を恐れる者がいるから奴隷も生まれ今すでに生きているキミには、どんな強い多数の相手に対しても「勝ち目」はある。
 しかし、死をおそれて反撃と防衛をためらった瞬間、キミは「たかられ屋」で「パシリ」の身におちる。どうだい、「自由な人間」に、なりたいか?

□日本の美意識  風柳祐生子  秘すれば…
 世阿弥は花を美しく存在させるために秘を使った。現代でも秘を美や幸福の道具として役立たせる大人のセンスが不可欠だが……。

□侍の作法と嗜 名和弓雄  第三十五項
 刀の掛け方、平伏するときの手の順序、これにはすべてわけがある

□日本伝柔術の世界 小佐野 淳  十一、柔術の技法(四) 当身技

□聖地で誓う刀剣伝承 福井款彦  三種の神器」のひとつ、草薙神剣を祀る刀剣の聖地・熱田神宮。
 神に祈り、神に奉納し、日本刀剣の精神・技術を継承する。

□武道格闘技事典(十) 編集部・構成

□Web販売オリジナル原稿予告
 三島由紀夫の映画論を読む〈一〉
 「仮面の告白」と映画 山内由紀人
 その肉体の精神過程を三島の書き遺した映画論から読み解く。
 Webオリジナル原稿、第三弾は武道通信の永遠のテーマ、三島由紀夫

□床几
IT時代の文武両道  S・パリッシュ(日本武道医学会会長)
『小柄工房』事始め 角田芳樹(日本武道具)
熱田神宮刀剣奉納 松川清直(刀工)
「夢使い」のお話 三木勝友(Web編集員)

□無銘刀
明治初期、世界に日本を説明するため「武士道」を書き、自らを鼓舞した。
いま我々は日本を説明できないでいる。
武士道とは何か? をいま一度問う。

いまは亡き、時代小説家の隆 慶一郎は戦地に赴くとき、軍部推薦の『葉隠』を切り抜き、その中にランボーの『地獄の季節』を隠した。読むものがなくなり、仕方なく切り抜かれた『葉隠』を読み、『レ・ミゼラブル』を読むかのように魅入られたと、『死ぬことと見つけたり』の冒頭に書いていた。この話、武士道の何たるかを示唆しているのではと、頭の隅に残した。
武士階級が消滅した後も、近代国家の戦士が死と向かい会ったとき、武士道は、その真顔を見せてきた。が、その真顔を見れる者と、声高に叫ぶわりには見ない者の違いは何かを、先の話は考えさせてくれた。
武士は本来、一番槍の功名を第一とする名誉至上の個人主義者である。名誉と引き替えにしても惜しくない「武士の死」であるからして、「死ぬことと見つけたり」なのである。
武士道は時代によって変容してきた。『葉隠』は、一番槍の戦士であるタテマエと秩序の統制者のホンネのジレンマの中にいた当時の武士が説いた武士道であった。
明治初期、新渡戸稲造は西欧文明国に、日本を説明しようとし『武士道』を書いた。大東亜戦争時、武士道は皆兵制度での日本の男たちが、死ぬ覚悟を自らに強いるものとしてあった。そしていま我々は、己の中の「日本人」を説明できない葛藤の中で、武士道を再発見しようとしている。
今巻で嘉村 孝氏が新興武士団の一揆の理念は『葉隠』に度々出てくる「一味同心」だと云う。個人至上主義の西欧人が、集団主義で革新を嫌う日本人が、なぜ見事に近代化を成功させ、西欧と肩を並べたか、いまなを理解できない謎がここにある。
名誉至上の個人主義と「一味同心」の集団主義、、このふたつの合致が武士道の力なのだ。もし日本がこのまま、世界に理解されやすいグローバル・スタンダードな国をめざしたとき、武士道の力は死ぬ。(杉山)